名城大学鉄道研究会

1日目(9月5日)

1:高松

9月5日、その日の高松は曇り空であった。ここ最近の合宿は台風や大雪など、あまり天候には恵まれないジンクスがある。さて今年はどうなることやら…。JR高松駅に集まった我々であるが、中には早速道中での「思い出話」に花を咲かせる者もいた。現地集合なので15人いれば15通りの道のりがあるのだ。新幹線とマリンライナーで来た人、青春18切符を活用し普通列車乗り継ぎで来た人(筆者も)、鬼ヶ島や栗林公園へ足を伸ばした人などなど…。そんな話題も一段落おいて、我々一行はこれから今回の見学地である高松琴平電鉄(琴電)の仏生山車庫へ行くため、まず琴電の始発駅となる高松築港駅へ向かう。駅はJRの駅から道路を挟みすぐ向かい側だ。

2:仏生山へいざ!

歩いて5分ほどで高松築港駅に着く。駅舎自体はターミナルの割にシンプルである。それでも高松の中心地だけあって乗客の数は多め。自動改札機が数台並んでいるが、全て琴電のICカード乗車券「Iruca」専用。電車が到着するたびにカードを持った乗客が次々に「ピピッ」とリズム良く音を鳴らして改札機を通過していく。JR東日本の「Suica」を皮切りにICカードが全国で流行しているが、我らが名古屋でもこの光景が当たり前になるんだろうか。琴平線に乗り、10数分で仏生山駅に到着。ここで琴電の職員の方のお出迎えを受け、早速車庫のほうへ案内していただいた。車庫は駅に隣接している。

3:車庫にて

まず車庫の敷地に入って見えてきたのは、まだ改装されて間もない片運転台の車両であった。職員の方の話によるとラッシュ時の増結に使うようだ。右写真のように運転台が無いのに貫通路が無いのは、連結相手が貫通路を持たないので、こちらだけ貫通路があったとしても使えないから塞いでしまったとか。

続いて工場の建物内へ。他の車庫と同様、部品の検査や補修を行っている。中にあった台車は流石に標準軌用の物だけあって大きめ。他にもかなりの年代物だという車輪研磨機や動力モータを分解した様子などを見学させていただいた。

一通り見終わって建物の外へ出ると、そこには琴平線用の1080型がピットインしていた。車両の下には丁度整備のための溝がある。「良かったら下から覗いてみます?」という職員さんの言葉に興味津々で溝の中へ潜り込む。車両を上や横から見る機会は数あれ、下から見ることなどそう滅多に無い。溝はかなり浅く中腰で歩くのが精一杯。そのためか、早速床下機器に頭をぶつける人が続出した。ヘルメットが無い状態でこれは痛い。しかし、真下から見た車両は迫力満点であった。

4:旧型車両

最後に、現在ではラッシュ時にしか運用に入らないという旧型車を見せていただいた。この車両は車庫の中ではなく車庫の近くの留置線に止まっているので、留置線伝いに10分ほど歩く。するとそこには長尾線用の3000型315号以下4両が留置されていた。ちなみに留置線の横の線路は琴平線の本線で営業運転中の列車が頻繁に通過するため、アプローチは少々命懸けである。少しの撮影タイムの後、折角なので車内も見学させてもらった。線路から車内は結構高さがあるので皆小さいステップを慎重に上がっていく。一歩車内へ踏み込むとそこにはノスタルジックな香りが漂っていた。この車両は何と1926年製造でもうとっくに還暦も過ぎているが、丁寧に整備されておりあと5、6年くらいは走れそうな感じだ。最後にこの車両の前で記念撮影し、本日の見学は終了する。

5:この後は…

ホテルのチェックインまで時間があるので各自自由散策となった。讃岐うどんを食べたり、琴電をあちこち乗り回したりと思い思いの時間を過ごす。その後一旦瓦町駅に集合してからホテルへと向かう。今日の宿は瓦町駅近くのビジネスホテルだ。明日は朝早いのでとっとと寝ることにする。では、おやすみなさい

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